第五巻 女神・沈める滝・幸福号出帆「女神」☆ 木宮周伍は、美しく生まれついた娘・朝子をさらに自分の思うさま 磨き上げるべく、半ば矯正のような教育をほどこしていたが 実はそれは、ある不幸な出来事から、同じように矯正した妻・依子に もはや美しさを追求する情熱を傾けられなくなっていたためだった。 周伍が朝子に似合いの相手として永橋俊二という青年を選んだ直後 父娘は自動車事故の現場に出くわす。朝子がその現場にいた斑鳩という 天才芸術画家を助けたことで、周伍の目論見が破綻してゆく… 「沈める滝」 ☆ 城所昇は、電力王だった亡き祖父の財産と能力を受け継ぎ 電力会社に入社後は発電所の設計図を引くような優秀さを持った上 女性が惹かれる魅力を持つ青年だが、一度でも情を交わせば その後は二度と付き合わないという性癖があった。 あるとき、顕子という己の意のままにならぬ人妻を知り 初めて付き合いを続けるようになった昇は、ダムの建設地での赴任辞令を受け さらに現地で越冬することさえ志願する… 「幸福号出帆」 ☆ デパートの靴下売り場に勤め、昼休みには社内のコーラス指導をしつつ オペラ歌手を志す山路三津子は、元声楽家の母・正代と父親違いの兄・敏夫と 身を寄せ合うように暮らしていたが、ソプラノ歌手・コルレオーニ歌子の夫が 亡くなったという新聞記事を見たときから、親子の状況は一変し… ジャンル別一覧
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